書府の下見 – 珠洲焼ってなぁに?
珠洲焼をご存じの方は相当な焼き物好きとお見受けします。
Wikipediaを調べてみても、ろくな説明がありません。
珠洲焼の発祥は平安末期のおよそ400年前。
場所は能登半島先端、「珠洲(すず)」の地になります。
ところが、その歴史は戦国時代の到来と共に幕を閉じることになります。
当時のスポンサーと思われる寺社仏閣が衰えたからではないかと推測されています。
そして時は現代。
遡ること30年ほど前に、再び珠洲焼を蘇らせようとする動きがありました。
現代に蘇った伝承の技、それが珠洲焼です。
その珠洲焼という伝統工芸品を後押ししようという行政の試み。
その一つが書府です。(たぶん)
書府の事業目的は以下の通り
産地・産品のイメージアップをはかり販路開拓につなげようとする地場の産業と、これまで石川新情報書府事業に参加することにより企画提案力や制作技術力を向上させたコンテンツ関連企業との連携による新たなビジネス展開を支援する。さらに、コンテンツの二次利用などコンテンツ制作から派生した著作物を活用したビジネス展開について、コンテンツビジネスの専門家により、コンテンツ関連企業に対し実践的なアドバイスを行うことにより、コンテンツ関連企業の新たなビジネス化を支援する
ま、お役所のいうことなんて
いつもたいした違いはありません。
要は「珠洲焼」事業を盛り上げよう、と。
乱暴に言うとそういうことです。
さて、じゃあその企画のための下見をしようじゃないか
というのが今回の目的。
金沢~珠洲までは
途中、穴水を経由しておよそ2時間あまり。
距離的にはたいしたことないのですが、一般道を挟むためにどうしても時間がかかってしまいます。
まず、珠洲に来たとあればここでしょう。
昼時でしたが、結構途切れなく人がやってきていました。
大勢にぎわうってほどじゃないところが能登クオリティ
とってつけたようなハートマークが恥ずかしさを引き立ててくれますが
御利益があるかどうかは両人の努力次第。
自然を堪能したあとは、今回の目的地へ
まず
珠洲焼伏見窯 陶工 坂本市郎さんのご自宅へ
小一時間ほど、坂本さんにお話を伺い
お店をあとにしました。
次なる目的地はこちら小西栄一さんの工房へ
「作家」ではなく「職人」を目指せ
熱い持論をとくと語っていただきました。
まったく同じ寸法のものを大量生産できる技術
それこそが職人である。
また、職人技がなければ、その産業は発展しない、と。
またまた小一時間あまりお話を伺い、
小西さんのもとをあとにします。
ここで感じたことは、職人さんの間の温度差。
今回の書府に対する意見には
「また行政が勝手なことを」
という冷めた意見があったことも確かです。
今後の課題だと思います。
ここでは地場の産業である珠洲焼を教える教室が開かれています。
内部の写真も結構撮りましたが
目に触れては困る作品もあるとのことで自重。
公開できるのはこれくらいでした。
粘土を混ぜる機械です。
コンパクトですが、珠洲焼独特の薪の灰が混じらないため
意図的に灰を入れるという手間がかかるそうです。
燃費はこちらのガス釜の方がいいとのことですが
趣は薪にはかなわないとのこと。
さて、今回は日帰りの下見でしたが色々な情報をつかむことが出来ました。
これまでの書府の活動は、宣伝のためのDVDを作成してお終い。
あとの販売は頑張ってね~という、どう考えてもうまくいくわけのないプランばかりでしたが
これまでの流れとは違った手法を試してみる手がかりがつかめたような気がします。
焼き物で成功している事例も当然あります。
珠洲焼をそこまで持って行けるかどうかは、これからのやり方次第というわけですね。
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