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近江町市場にはほとんど行くことがないねぇ

たまには真面目なことも書いてみますかね。

さて、もう昨日のことになりますが
武蔵ビジネスクラブにて定例会がありました。

テーマは「あなたが考える”新!近江町市場”の楽しみ方・使い方」ということで
地元、近江町市場の再開発プランについて
ゲストスピーカーに武蔵活性化協議会 宮本秀夫会長、
武蔵が辻第四地区再開発管理組合 岸 博之事務局長らをお招きして
近江町市場再開発ビルの計画説明をしていただきました。

近江町市場の歴史は古く、実に500年以上もの歴史があったりします。
これには少し驚きました。
もちろん、最初から現在の形になったわけではなく、
その下地として人々の行き交う交易の場所として発達し
1700年頃に現在の形、市場としての下地が完成したそうです。
現在はアーケードを備えた市場となっています。

まぁ、再開発と言うからには当然
現在状況が芳しくないから、なわけです。
色々と複合的な理由があるのでしょうが
パッと思いつく限りでは
1.街中で駐車場がない
2.露店形式で基本販売スタイルは対面対話式
3.「市民の台所」とはいうものの近場に人が住んでいない
などが挙げられます。
やはり全国的に見ても同じ状況でしょうが
商店街というものは各地で苦戦を強いられている状況です。
だからといって大店舗を規制すればいいかというとそういう問題でもないと思うんですが、それはまた別の機会に。

昔は交差点をはさんで対面にダイエーがありましたが
やはり交通の便が悪い=駐車場確保が難しいということで撤退しましたしね。
非効率なものを効率的にしようとすることほど非効率なことはないんですが
とはいうものの、古き良きものを残したいという気持ちを無下にするほど物わかりが悪くはありません。

とりあえず
お話を伺っていくうちに、どのような形で再開発をしようとしているのか
その全貌が明らかになってきました。

コンセプトは

1.対面販売・町の構造骨格の維持
2.武蔵としての象徴的な情景の継承
3.「市民の台所」としての地位の復活

ということで

市場側ブロック構造が4階建て
1階は市場施設
2階は商業施設
3階、4階は駐車場(100台確保)

国道側ブロックが5階建て
1階は店舗
2階は商業施設
3階、4階は公益施設
5階は事務所

という…ビル?をつくるそうです。
これまでのアーケードをビルの中に再現しつつ
新しいランドマーク的なものを作っちゃいましょう♪というプランですな。

あらステキ

ぶっちゃけ
話を聞いていると胸くそ悪くなってきまして。
そりゃそうでしょ。
ふと思いつくだけでも事業プランとしての穴が見つかりまくり。
まずターゲッティングが不明瞭。
事業というものは「誰を」相手にするのかを考えるところから始まります。
答えを求めたところ「近隣に住む人々」だそうです。
ちなみに武蔵の人口は郊外に出て行ってしまったため、最盛期と比べると激減しています。
つまり、市場を支えるパイが小さい。売上が見込めない。
それに関しては「次々と新しいマンションができている」ということだそうです。
では郊外に出て行ってしまった若い世代などはターゲットじゃないのかと問うと
「駐車場を用意してある」
…たった100台ですぜ?
いくら近場に700台ほどの駐車場があるとはいえ、200メートルも歩かされるなら郊外の店に行っちゃいますよ。
100円で乗れるバスや自転車で来やすいような歩道の整備を進めているとはいえ
雨の多いこの金沢で自転車をメインに使う人々がどれだけいるのか
モータリゼーションの動きに逆らうような公共機関の整備などがどれだけの効果を発揮するんでしょう。
準備してあるとはいえ、やっていることが食い違っていたり
焼け石に水的なことばかりが目につきました。

自分だけではなく、他の参加者の方々からも厳しい意見が次々と飛び出し
あまり問い詰めていても、岸さんが全て決めた訳じゃないので
最後の方はさすがにかわいそうになってきました。

この計画は平成14年度あたりから動き出していたようですが

総事業費は約59億円
これ、全部税金です。
何年かけて回収するつもりなんでしょう?
回収しきれるんですかね?

もっと安く、確実な方法があったんじゃないかと思えてならない2時間でした。
これだから公務員は。