ニスモ強化マウントには要注意!意外と難航のS15シルビアのクラッチ交換
気付いたら走行距離は15万キロオーバー。
特にクラッチが滑るとか、そんな不具合があるわけではないんですが、クラッチを切ったときの感触が滑らかではないそんな気持ち悪さがあるような状態です。
ほとんど街乗りなのでディスクは大丈夫だと思うんですけどね。
載せ替えるのはこれ、EXEDYのカーボンR。
シングルプレートのカーボンは街乗りで減りやすい?とかいう情報を聞いたので、カーボンを載せる時はツインにしようと思っていたら、飛んで火に入る夏の虫。
うっかりのタイミングで中古を入手しました。
そして載せ替えようと思いつつ、早1年。
・・・作業が大仕事なので、ま、機会を逃すとなかなか取り掛かれませんよね。
こういうことって勢いが大事なもんです。
作業手順
- シフト周り・内装の分解
- オイル抜き
- プロペラシャフト外し
- マフラー外し
- エンジンの傾け
- ミッション取り外し
- クラッチカバー・クラッチ・フライホイール交換
- 逆の順番で元に戻す
文章で書くとこれだけなんですけれどね。
今回はフライホイールごと交換することになるので、
- フライホイールボルト
- パイロットブッシュ
- リアクランクシールオイル
これらも交換しておいたほうが無難です。
作業内容
ジャッキアップ
清々しい秋晴れの空の下、何はともあれ車をジャッキアップします。
ミッションジャッキを入れようとすると高さが必要なので、ブロックを積んでからウマをかませるというちょっと荒業。
あー、二柱リフトが欲しい・・・。
下準備
組み付けるクラッチの準備をしときましょうか
まずフライホイールのパイロットブッシュを新品に交換しておきましょう。
プレスを使って、ゆっくりと抜いて・・・
抜けた。
ブッシュ(新品)をブッシュ(古い方)を使って、ゆっくりと圧入していきます。
パイロットブッシュは柔らかいので、コマを当てて圧入すると歪んでしまうそうです。
できたーっ!
シフト周りの分解
内装周りはオーディオユニットなどの電装系で慣れてますからね。
調子に乗って逸っていくと
意外とパーツが多いシフト周り。遮音のためかパーツが多いんです。
このあとシフトレバーを外すのも、このシルビアの6速は5速と違ってちょっと変わった構造しているんですよね。
レバーを外した後はゴミが入ると大変なので、サランラップでフタをしておきます。
下回りの分解
さてこれからは地べたを這いずりまわる作業が始まりますよ。
社外のフロアサポートバーとか余計なものが作業を阻むわけですよ。
結局、作業しやすさを追求すると、全部外してしまったほうが楽と判断しました。
触媒部分も取り外して
フロントパイプまでサクッと取り外し。
オイル抜き
本当はオイルを抜かずに作業しようと思ったんですが(そのためのツールも買ってありましたがー)、ずいぶん長い間交換していなかったので、この機会にオイル交換もしてしまうことにして、オイルを抜きます。
わ、すごい鉄粉。
ミッションマウントを外して
プロペラシャフトも外しにかかります。
ペラシャを外したら、先程と同じくサランラップでフタをしておきましょ。
オイルが漏れてくると、本当に面倒なんですよ・・・。
オペレーティングシリンダーも外して
センサーカプラー類も外してしまったら、いよいよミッション取り外しです。
ジャーン!
アストロプロダクツのミッションジャッキアダプターです。
手持ちのジャッキに取り付けるだけ、と簡単に組み立てられるんですが、これを使うには床とフロアの間に結構な高さが必要になってくるんですよ。
ちょっとジャッキアップした程度では使えないので、さっきみたいにジャッキアップにブロックを使って高さを稼ぐ必要があるというわけです。
そしてミッション交換作業には欠かせない、エクステンション。
左から、短いの、普通の、長いの。
長・・・い・・・の・・・!
って、長すぎやろう!
この90cm(確か)のエクステンションはミッション交換の時にしか使わないという秘蔵のひと品。
この10年間の間に2回しか使ってないですよ・・・。4000円ほどしたのに、たっけー。
エクステンションをいくつも組み合わせて使う人もいるみたいですけれど、安心感からはやっぱり専用ツールですね。
楽ちんぽーーん、ですよ。
すべてのボルトを外す前に、ミッションジャッキを当てておきます。
これを当てておかないと、インプットシャフトに過度な負担がかかってしまうので要注意です。
あ、もう一つ注意点。
外したボルトはそれぞれ長さが違うので、どれがどこのボルトか判るように保管しておかないとあとで大変なことになります。
いよいよミッションの取り外しにかかります!
いやー、ミッションジャッキがあってよかった。
トラブル発生
外れない!
ミッションがボディに当たって落ちてこないんです!
なんで!?どうして!?Why!?
嫌な予感はしてたんです。
上のボルトが外れなかった時に、ちょっとおかしいなと思ったんです。
実はこの車、ニスモのエンジンマウント、ミッションマウントが入っています。
ニスモのエンジンマウントが入ってた場合は、マウントが硬くてエンジンが傾かないそうなんですよね。
解決方法としては、メンバーのボルトもネジがちょっと噛むくらいのギリギリまで緩めてメンバーごと1cmほど下ろし、エアクリ周りのホースもウォーターラインのホースも外して(今回はラジエターの固定ステーを緩めました)、あらん限りの手段を使ってエンジンを傾けるそうです。
ニスモのエンジンマウントを入れている車は、ここが交換作業のハイライト!
どれだけエンジンを傾けられるかで作業のしやすさが決まりますよ!
メンバーのボルトを緩めている時に、壊れました・・・。
メンバーごと下ろしても、エンジンを傾けようとジャッキを当てると、結局全部上に上がっちゃうんですよね。
仕方がない。
1cmほどの厚さのゴム板を切って・・・
メンバーとフレームの手前側だけに挟み込むことで、メンバーを傾けることに成功です。
エンジンを持ち上げてみましょう。
やったーーーーーっ!!
ようやくミッションが下りました。いやー、疲れたー。
主に頭が。パズルかよって。
ドロドロのハウジング内部
10年分の汚れでしょうね〜。
うわー・・・(´Д`)
レリーズベアリングも手で回すと「シャーッ!シャーッ!」っと軽快な音を立てて回ります。こりゃもうダメやね。
ほら、掃除したらこんなにキレイになるんやで!
ふー・・・見通しいいな〜。
フライホイール・クラッチ交換
今までの作業は、これからの作業のための下準備だからね。
ここからが本当のクラッチ交換だからね・・・。
大変だったネー
クラッチカバーのボルトを緩めていくわけですが、定番のソケットを使った回り止め。
クラッチカバーとクラッチディスクが外れて
フライホイールとご対めーん。
ディスクは意外とまだまだ使えそうな雰囲気でした。
クラッチのフィーリングが悪かったのは、レリーズベアリングが原因だったんでしょうか。
S15純正のフライホイール。これが12kgくらいあるそうです。
この重たいフライホイールが軽くなったら、ヒュンヒュン回る軽快なエンジンが手に入るわけですよ!
あ、その前にリアクランクシールは新品に交換しておきます。
マイナスドライバーで回りを傷つけないように、コジッて外してくださいな。あとは周りを叩きながらゆっくりと圧入してね。
フライホイールを取り付けて・・・
と、カバーを取り付ける前にすることがありましたよ。
インプットシャフトにクラッチグリスを塗り塗り。
一度センターハブを通して、余計なグリスを取っておく必要があります。
あまりグリスがありすぎると、グリスが飛び散ってディスクやカバーに付いて滑りの原因になるそうです。
芯出しツールを使ってセンターを決めて、クラッチカバーを締め込んでいきます。
もちろん、すべてのボルトを少しずつ均等にね?
合いマークが合っていることも確認!
さて、後はミッションを元に戻す準備をしていきましょうか。
余計なグリス等を落として・・・
ぴかぴかーっ!
古いレリーズベアリングを抜き取ります。
取れた。
新品のレリーズベアリングを圧入していきます。
斜めに入らないように、ゆっくりとね・・・。
要所要所をきちんとグリスアップして
グリスアップして
グリスアップして
セット完了!
次はミッションを載せるぜ
ガッシーーン!
写真で見ると、あっさり載ってるみたいだけれど、ミッションジャッキに載せるときやエンジンとの角度を決めるのは結構大変だったのよこれww
せっかくの機会なので、シャシーブラックを吹きながら
錆止め錆止め。
戻す時は、各部をチェックしながら戻していきました。
ミッションオイルはレッドラインのMTLを使用します。
もう少し在庫あると思っていたら、ラスト2本でした。また買っておかないと。
6速ミッションはシフトレバー部分からオイルを注油するという荒業が可能です(笑)
ちょっとこれは便利。
こんな感じで作業は完了しました。
作業には実質的に2日間かかってます。
1日目は午前中から始めればよかったものを、午後から始めたので夕方には薄暗くなって作業に支障をきたしタイムアップ。
2日目にエンジンを傾ける行程が解決したら、あとはあっさりと作業が終わりましたね。
ニスモのエンジンマウントを取り付けるときも一悶着でしたけれど、まさかこんな時にまで影響があるとは、その時は思いもしませんでした・・・。
でも無事終わってよかった〜。
レビュー
後ほど〜
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